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エグゾーストマニフォールド
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エグゾーストマニフォールド
エクゾーストマニフォールドの役割
エンジンから出る排気ガスの温度は数百度にもなり、かなりの圧力で排出されている。この排気ガスを直接大気中に排出すると、熱くて有害物質を大量に含んだガスが、爆音とともにばらまかれることになる。そのためエグゾーストマニフォールドからサイレンサーに至るまでの道のりで、排気ガスを浄化し消音する。その行程で排気ガスの温度を下げ効率よく後方へ導く、というのがエグゾーストシステムの役割となっている。では、排気ガスが最初に通るエグゾーストマニフォールドの役割を紹介しよう。


個性的なサウンドで演出
エグゾーストマニフォールドは各シリンダーから排出された排気ガスを集合させてキャタライザーに導くというもので、集合のさせ方や集合部までの長さにより、エンジンのトルク特性を味付けすることが出来る。
シリンダー毎の爆発に合わせてエグゾーストマニフォールドパイプ内には高圧の排気ガスが送り込まれるが、エグゾーストマニフォールドの形状によっては他のシリンダーの排気とぶつかり合い排気干渉をおこしてしまう。これではロスが発生するので集合場所をエンジンから出来るだけ遠い位置に設定したり、エンジンから集合場所までの各気筒パイプの長さを等長にしたり、集合の方法を4-2-1または4-1にしたり、パイプの取り回しを工夫するといった手法が必要になってくるのだ。
また、排気ガスは質量と弾性があるためエンジン運転中は粗密波が発生するので、排気バルブが閉じる瞬間に排気ポート周辺の圧力が低くなるようにパイプの長さを設計すると排気の脈動・慣性効果を利用し効率よく排気することができる。
エクゾーストマニフォールドのチューニング
エグゾーストマニフォールドのチューニングとは背圧を調整し、いかに効率よく排気ガスを排出するかということになるが、単に背圧を低くしただけでは中低速のトルクが細くなってしまうという問題がある。このために狭いエンジンルーム内で、いかにして流速を稼ぎながら抵抗を減少できるか、集合させるまでの距離や方法をどうとるかといった事が重要になってくる。急な角度の付いたパイプや、集合部がエンジンに近すぎる場合は、背圧が高くなりすぎて、ロスが生じてしまう。更に排気効率をアップするために、歪みの出ない曲げや、溶接後のパイプ内研摩仕上げなどといった作業も行われている。



一般的にエグゾーストマニフォールドの集合部分が4-1のモノは高回転型、4-2-1のものは中低速域向きと言われているが、パイプ径、集合形状などでも変化する。エンジンの特性やマフラーの方向性に対し様々なテストの結果、一番理想的な形状がセレクトされているのだ。その上、同じ型式のエンジンでもクルマによってエンジンルームの形状が異なっているので、同じエグゾーストマニフォールドレイアウトを取れない場合も多い。この場合は、また新たなテストが繰り返されそのクルマに合ったレイアウトを探りだす必要が生じてくる。
膨大なデータの蓄積と、度重なるテストの結果によって生み出されているエグゾーストマニフォールド。単にパイプの集合体ではないことが、お分かりいただけたであろうか?